30ヵ国目・南アフリカ

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【565日目 24,948km】

 

風に大苦戦しながらもフィッシュリバーキャニオンに到達。

圧倒的な大自然を味わったら

あとはナミビアを抜け出るだけです。

 

 

 

120kmの長距離を走る予定だったこの日。

 

早起きして荷物をまとめ、

WiFi電波のある売店で朝食をしている15分ほどの間に

悲劇は起こっていました。

 

パンを食べ終わり荷物の所へ戻ると、

綺麗にまとめていたはずのバッグは写真の通り散乱。

中身もあたりにバラまかれ何が起こったのか意味が分かりませんでした。

 

 

すると10mほど離れたところから

「キキッ!」という鳴き声、

バブーン(ヒヒ)です。

 

 

 

リュックに詰め込んだテントも

引きずり出され収納袋がズタズタに。

せめて食べ物だけ

持ってってくれればいいのに…。

もう、ヒドい…。

 

 

 

 

前日のジャッカルによる食料盗難に続く“獣害”。

もう食べ物持ってないのに、さらに攻めてくるなんて。

「これ以上あたしから何を奪っていくの…」

とハンカチを噛みしめながら涙しても誰も慰めてくれないので

早く出発することにします。

アフリカで旅をするとはこういうこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は120km先の国境付近の

町まで移動する予定。

間に村や集落はなく水も補給できないはず。

食料は全部ヤツらに奪われているので

どこかで野宿とはいきません。

 

意気込んで走り出すけれど

ここに来るまで吹いていた強烈な向かい風が今日も吹くとなれば

当然到着は不可能となります。

 

 

 

すると出発10分でパンク。

道が悪いのもあるだろうけど

もうタイヤも相当傷んできてるはず。

アフリカを走り終わるまで

もうちょっと頑張ってくれ。

 

 

 

 

 

そして残念ながらこの日も

ものすごい向かい風でした。

1時間で10kmも進むことはできず

朝の時点で、この日の到着は

困難となる見込みです。

誰かに乗せてもらうしかないのか…。

 

 

 

車はほとんど通らないので

自力で進めるところまでは進もうと

昼までの5時間で進んだのが

わずか30kmあまり。

日が沈むまでに

着けるはずもありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

わずかに残っていた最後のパンをかじりながら休んでいるところを

通りがかったのはドイツ人家族“ヨハンさん一家”。

 

「ふらふらとタイヤ痕が続いてると思ったら君か!

俺たちになにかしてやれることはあるかい?」

 

先日の砂漠で助けてもらったばかりなのに

またしても人のご恩にすがり先へと進むことに。

 

 

感謝の念を抱きつつも、

他人の助けがないと前に進むことができなかったナミビア旅において

情報収集と事前準備の甘さを深く反省しながら車に揺られました。

 

でも、

動物に食料持ってかれるなんて想像もして無かったんだもの…。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方に着いたのは

70kmほど離れた国境付近の

キャンプ場。

ヨハンさん一家と一緒に

テントを張らせていただくことに。

 

 

 

 

横には国境である“オレンジ川”。

これまで砂漠の景色ばかりだったので

涼しげに流れる水に

疲れた心が癒されます。

自然の厳しさに翻弄されたナミビアの旅も

この日で終わり。

 

 

 

夜はドイツ式バーベキュー。

ただ肉を並べて焼くだけでなく

マッシュルームやらポテトやらの

ひと手間加わった小洒落た料理が

コースのように次々出てきます。

 

 

 

人類史を代表する狩猟民族の末裔である

ドイツ人の皆さんとあって

肉料理はお手のもの。

いつも1人だけど

やっぱりみんなでワイワイ過ごす夜が

楽しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、ヨハンさん一家とはお別れ。

自転車を車に乗せていただく時はものすごい葛藤があるのですが、

楽しい時間を共に過ごせば

どんな形であれ出会えたことに感謝せずに入られません。

本当にありがとうございました。

 

 

 

キャンプ場から

国境までは10kmほど。

思いもよらぬことが多かった

ナミビアの道中ですが、

とりあえず元気な状態で

出国することはできそうです。

 

 

 

財布にものすごい数の

コインが余っていたので

出国前に“ビルトン(ジャーキー)”

を購入。

これを3日かけて食べようと思ったけど

結果的に1日で食べ切ってしまいました。

 

 

 

そして国境へ到着。

両国をつなぐ主要道なので

大渋滞かと思いきや

かなり閑散としています。

物流のトラックばかり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やってきた30ヵ国目は「南アフリカ共和国」。

 

アフリカ大陸の南端に位置する国で、

ついこないだ日本で行われたラグビーワールドカップで

優勝したことで国中が沸いたであろう南アフリカ。

(僕は1試合も見てないのでルールも未だにわかりません。

日本でも相当盛り上がったみたいですね。)

 

いよいよアフリカ旅もここで最後。

無事にここまでたどり着けるとは思いもしませんでした。

気を引き締めてゴールの地・喜望峰を目指します。

 

 

 

向かう「ケープタウン」までは700km足らず。

向かい風が気になるけど

焦らず着実に進んでいこう。

 

 

 

入国直後はとにかく上り坂。

勾配は決して急ではないけれど

数十kmに渡って

平坦になることがないので

ずっと上りっぱなし。

標高を1,000m近くもあげます。

 

 

 

夕方ごろにやっと平坦になってきました。

風はいろいろな方向から吹くので

今後はナミビアのように

ずっと向かい風ということがないように

お願いしたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南アフリカ初日は荒野の真ん中「ステインコフ」に到着。

思ったよりもずっと小さな町でした。

 

 

 

事前にチェックしていた宿へ。

なんと¥1,000ちょっとで

ベッドとご飯がついてます!

キャンプ続きのアフリカ旅とも

お別れの時が近づいてるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる日もさらに南へ向かいます。

とにかく上るか下るかばかり。

道は整ってるし交通量もそんなに多くはないけど

やっぱり疲れます。

 

 

 

南アフリカってだけで

発展したイメージがありましたけど、

もちろんそれは一部の都市だけで

おそらく大概はだだっ広い荒野が

続いているみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして出発から70km、昼頃に着いたのは

最初の比較的大きな街「スプリングボック」。

車も多く割とにぎわってる様子です。

 

 

キャンプ場という選択肢もあったけど

ナミビアの疲れを癒したい気持ちもあり

¥3,000弱のホテルへ。

アフリカの終わりが見えて

確実に財布のヒモがゆるんでます。

 

 

 

喜望峰へのラストスパートに備えて

ここでひと休み。

体調を万全にしたら、

大陸の終わりへ向け

一気に距離を縮めていきます。