ナミブ砂漠を進む

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【552日目 24,369km】

 

思わぬ事故を起こしてしまった翌朝。

警察から首都・ウィントフックまで送ってくれる提案もあったのですが、

なんとか走ることは出来そうだし

まだまだ砂漠の景色に満足していないので

踏ん張って前へと進むことを決意。

 

精神論は嫌いですが、ここはもう気合です。

まだ前には進める。

 

 

 

ということで砂漠4日目スタート。

事故の光景が頭をよぎり

やはりすくんでしまう。

同じ誤りを繰り返さぬよう、

特に坂道は気をつけて進まねば。

 

 

 

わずか10分で

前日の事故現場に到着。

ブレーキをしっかり握って

ゆっくりゆっくりと

下っていきました。

慎重に進めばなんてことない。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく進むと視界が途端に開けて

一帯を見渡すことができました。

眼下には砂の大地がどこまでも続いています。

 

この先に目指すのは、ナミブ砂漠の核心部。

なんとしても砂漠の絶景を見るまでは止まれない。

 

 

 

 

ものすごい急な下り坂とあって

さすがにここだけは舗装してありました。

見晴らしがいいからドライブコースに

なってるようです。

ブレーキをしっかり握り

一歩一歩確実に下りていく。

 

 

 

長い長い坂を下り

一気に標高は500mも下がりました。

このあたりはわりと砂が浅く、

走りやすかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼過ぎに着いたのは「ソリタヤ」。

砂漠を渡る観光客たちの

休憩所になっているよう。

ちょっとした商店もあり

3日振りに買い物ができるのが嬉しい。

 

 

 

 

ここで偶然出会ったのは

ウィントフックのゲストハウスで

一緒だった日本人の旅の方たち。

突然の再会に驚きつつ、

労いのドリンクを山ほど

ごちそうしてもらいました。

 

 

 

 

 

 

それぞれ一人旅だったのに、

アフリカの土地で出会い

今はみんなで車に乗ってナミビアを巡られてるとのこと。

 

一人だからこそ出会いが尊いんです。

みなさん、良い旅を!

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに午後からもう少し進んでおきます。

すんなりいけると思いきや、

砂がひどく1時間で7kmしか進めない。

標高が下がった分、気温はあがり42℃。

深い砂だけでも過酷なのに…。

 

 

 

 

夕方6時頃、道端の木の下で野宿決定。

寝入った後の10時頃、

「ここは私有地だ!

朝がきたらすぐ出てけよ、ったく」

とやってきたおじさんに怒られました。

本当にごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂漠5日目。

この日は朝から砂に悩まされます。

タイヤが沈んで走ることはままならず、

照りつける太陽の下せっせと押しつづけました。

 

 

 

どこまでも続く砂の道に

体力のみならず精神までも

削られていきました。

終わりが見えないし、

頑張ろうにも暑すぎる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

食料が底をつくこの日、

野宿をするわけにもいかず

やむを得ず目標のキャンプ場までヒッチハイクをすることに。

悔しいけど、

このままでは日が沈むまでに

到着する目処が立たない。

 

 

 

しばらく待って乗せてくれたのは

このあたりのホテルで働いてるという

“アドさん”と“ナイルさん”。

 

車で移動するのは本意ではないけれど

そんなこと言ってられないほど、

暑く、辛かった…。

 

 

「日本からずっと漕いでるのか!?スゴイな!」

と、大いに感心してくれた彼ら。

この2人は

この後の砂漠走行における超重要人物として

再登場してくれることになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

20kmほど車で進み

下ろしてもらったのは「セスリエム」。

 

砂漠に入って5日間で進んだのが

わずか200km。

苦戦し続けながらも最初の目的地には到着しました。

ここからナミブ砂漠の一番の見どころへと向かいます。

 

 

 

まずはキャンプ場にチェックイン。

国立公園内ということで

¥3,000の強気な価格。

キャンプ場としては

旅での最高価格じゃなかろうか。

泣く泣く払います。

 

 

 

 

 

 

 

 

荷物を片付けてさっそく向かったのは

キャンプ場から70kmにあるナミブ砂漠の核心部。

自転車走行不可の為、

チェコ人カップルの車に乗せてもらいました。

あまりにも砂が深く看板が埋まっています。

 

 

 

そして、ナミビアで最も楽しみにしていた風景が

コチラの「デッドフレイ」。

 

砂丘に囲まれた一帯に

枯れた木が立っている何とも不思議な風景。

 

 

 

1,000年前に

川の氾濫でできた沼地が枯れてしまい、

取り残された木だけが今も残っている

このデッドフレイは

“死の沼”という意味だそう。

 

 

 

 

夕陽に照らされた橙の砂丘を背景に

黒い木の影がそそり立つ

まるで絵画の様な空間が

ここにやって来る人を魅了しています。

自然が生み出した景色なのに

すごく無機質な印象を受ける絶景です。

 

 

 

およそ8,000万年前に生まれ

地球上で最も古い砂漠であり、

南北には1,300kmにも広がる

ナミブ砂漠。

とにかくスケールの大きさに

圧倒される場所でした。

 

 

 

夕陽にじんわり赤く染まる砂を見ると

ここに至るまでの苦労も

報われる気分です。

自力だけではたどり着けなかったけれど

なんとかここにこれて本当に良かった。

 

 

 

 

 

 

キャンプ場に戻り

ちょっと奮発して食べたのは

地元に生息する牛の仲間

“オリックス”のステーキ。

変わり種の肉って外れが多いけど

これはなかなか美味しかったです。

 

 

 

ということでかなり苦戦しながら

まずはナミブ砂漠の第一チェックポイントに到着。

まだまだ未舗装路は続くけれど

少しづつでも前に進んでいきます。