ただただ走る日々

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【492日目 20,546km】

 

起伏にとんだタンザニアの南部。

次の国へと向かうべく

さらに南へとむかっていきます。

 

 

 

イリンガの町を出ると

また変わらぬ綺麗に整備された道。

どうやらタンザニアは最後まで

綺麗な道路を走って行けるようです。

 

 

 

これから向かう先へは

標高を上げていくのですが、

上りっぱなしということはなく

常にアップダウンの繰り返し。

上った後に下るのは

ちょっと損した気がする。

 

 

 

本当に景色が変わりません。

そしてこの風景が

数日に渡って

続いていくことになります。

 

 

 

 

 

ありがたいことに

交通量は少なく

時折、大型トラックやバスが

追い抜いていく程度。

のんびり走ることができています。

 

 

 

 

この日は「マフィンガ」に到着。

標高が上がると同時に

気温は下がってきたので、

蚊があまり飛んでいないようです。

どうにかマラリアは避けていきたい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イリンガ出発2日目。

ここしばらく朝は

アンダージ(ドーナツ)とショウガ入りチャイのセット。

小さな村でもこの2つは朝から必ず売ってるし

これで¥25と、かなりお得なんです。

 

 

 

そして今日も

同じような道を走り始める。

同じことの繰り返しではなく

刺激を求めて旅に出たのに…。

変化に乏しい

ただただ走るだけの日々。

 

 

 

昼は小さな村に立ち寄って

食事休憩。

気づけばアフリカ大陸では

ほとんど自炊をしていません。

安くておいしい食事が

どこでも手に入るのはホントに便利。

 

 

 

とはいえいつもメニューは

こちら。

ご飯、ほうれん草、豆、ヤギ。

現地の人は飽きないんだろうか…。

 

 

 

 

 

90kmを走ったこの日は

「マカンバコ」に到着。

ミカン箱…。

 

 

 

 

 

 

日が沈んでから明け方にかけては

ぐっと気温が下がるので

毛布は欠かせません。

暖かいシャワーがない宿でも

バケツにお湯を入れて

持ってきてくれるので助かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで少し、

タンザニアでの現地の人との関りについて。

 

 

自転車で走っていると

「ムズング!ムズング!」と、

子供たちを筆頭に多くの人から声を掛けられます。

 

“白人”を意味する「ムズング」という言葉ですが、

欧米人のみならずアフリカ系以外の人

総てに対する呼称になっているのだとか。

 

 

決して差別的な意味が含まれているわけでなく

目をキラキラ輝かせた子供たちが「ムズング!」を嬉しそうに手を振ってくると

「そうだよ、ムズングだよ」と

こちらからも気持ち良く手を振り返したくなるほど。

 

 

 

しかしこの「ムズング」とは違い、

こちらに何とも嫌な後味を残す言葉があって

それが「チンチョンチャン」。

 

これはアフリカのみならず世界各地で

アジア系の人種を蔑んで呼ぶ際の名であって、

これまでの国でも数回ほど耳にすることがありました。

 

そしてタンザニア南部に差し掛かったこの数日の間に

この言葉を投げられることが増えてしまいました。

それも物事の分別がつくであろう大人が

明らかな嘲笑をもって。

 

 

 

嫌な面もひっくるめて世界を知ることが旅であると認識してるので

基本的にはさらっと流せるのですが、

疲れているときや気持ちに余裕がないとき

この言葉をぶつけられることで

怒りがこみあげるし

その土地に住む人々から拒絶された様で

とても悲しい気持ちになってしまいます。

 

 

これを人種問題と大袈裟にとらえるつもりはなくて、

外国人との関わりが少ないであろう土地柄と

異文化理解のための教育がなされていないことが

背景にあるのだと思います。

 

 

こんな出来事が世の中からすべて無くなればいいけど

簡単に無くなることはないので、

身の回りの人を傷つける側の立場に

せめて自分がならないようにしようと

アフリカの道中で深く心に誓いました。

 

とまぁ、要はグチです。

 

 

とはいえ、8~9割の人は

温かい言葉と素敵な笑顔で迎えてくれるので

タンザニアが素晴らしい国であることに違いはないです。

 

 

 

イリンガ出発3日目。

この日もアンダージとチャイで1日が始まりました。

 

 

 

走り始めと同時に

下り坂が待っていました。

一気に標高を

数百m下げていきます。

朝の澄んだ空気が清々しい。

 

 

 

わかりにくいけど

緩やかな下りが長々と続いています。

車もあまり走ってないし

見通しもいいから

ブレーキをかけずに

颯爽と滑り降りていきます。

 

 

 

昼はヤギのバーベキュー。

良い肉を使ってるらしく、

なんと¥500!

ランチの平均は¥100なので

これでも大奮発です。

 

 

 

 

午後からは

またいつも通りのアップダウン。

ひとつ坂をのぼれば

その向こうに次の坂が

待っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆるやかな下り坂を下っていると

突然向こうにサイクリストの姿が!

しかも、近づくとどうやら同じ東洋人である様子。

 

道の反対から「こんにちはー」と声をかけてくれたのは

日本人の“ヒロキさん”。

2年以上自転車で旅を続けており

現在アフリカ大陸を南から北へと走っているそう。

 

神戸出身のヒロキさんは

僕と1学年違うだけのほぼ同い年。

仕事をしたがらないゆとり世代。

 

 

周りに村の一つもなかったので

何にもない道の片隅で話すこと小一時間。

アフリカに関する情報交換やこれまでの旅のこと、

なんやかんやと話に花が咲きました。

 

別れを惜しみながらそれぞれ

反対の方向へと走り始めます。

 

 

 

 

 

 

久しぶりに100kmを走ったこの日は

「チマラ」に到着。

 

 

 

宿の値段はもちろん¥500。

タンザニアって何を買っても

¥50、¥100、¥500

っていう価格帯しかない気がする。

いやホントに。

 

 

 

「ここのレストランは美味しいぞ」

と紹介されて夕食をとることに。

まあ、美味しいんですけど

ほぼ毎日同じ味のものを

食べています。

 

 

 

 

国境までもう少し。

代り映えのしないタンザニアの道を

引き続き進んでいきます。