西サハラ突入

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【431日目 17,202km】

 

いよいよ始まったサハラ砂漠の旅。

これからしばらくは、

海に沿ってひたすら南を目指す日々です。

 

 

 

タンタン出発直後、

空は曇天。

朝方はおそらく雨が降っていたよう。

 

 

 

気温が上がらず涼しいのは良いけど、

空が曇っていると

いまいち気分がスカッとしないです。

でも、日が照ると

ものすごい暑さになりそうなので

わがまま言うのはやめとこ。

 

 

 

この日の行程は

とにかく平坦。

どこまでも続く地平線を

追いかけながら

気持ちよく走りつづけました。

 

 

 

 

1日で110km走っておきながら

上り坂はたったの4か所。

数少ない坂のガードレールが

ものすごい角度で

ひん曲がってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15時ごろには「アクフェニル」の町に到着。

 

サハラは砂漠でありながらも、

少なくとも100km置きくらいには町が点在しています。

 

小さな町でも大概ホテルや食堂はあるので

これらを利用しつつ、

町から町へと毎日移動を繰り返すスタイルで走っていきます。

 

 

 

早速、道路沿いにホテルを発見。

値段や清潔度など

モロッコはどこも似たり寄ったりなので

複数軒比べることもなく

ふらっと入ったところにチェックイン。

 

 

 

 

ここは1泊で¥600。

だいたい¥500前後が相場なので

もはや値切ることすらしてません。

お湯も出るし、WiFiもつながる。

非常に助かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モロッコ各地の路上で見られるのがコチラ。

屋台で売られている緑の物体。

 

 

 

正体は“サボテンの実”。

日本ではなじみ無いですが、

メキシコやスペインなどでも

定番のフルーツ。

7月ごろから収穫されるそうで

今がまさに旬。

 

 

 

屋台のおっちゃんに

ナイフでペロンと皮を剥いてもらうと

鮮やかな黄色い果肉。

ビタミン豊富で体にとても良いそう。

触感は違うけど、ほんのりした甘さが

サツマイモみたいで美味しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タンタン出発2日目。

この日は曇りどころかほとんど霧。

すぐ右手が海なこともあり、

砂漠なのに湿気がすごいです。

 

 

 

しばらく進むと、

サラサラの砂が道路にまで

押し寄せていました。

これがもっと乾燥した日なら

砂埃すごいんだろうな。

 

 

 

 

この時期、風は北から南に吹くので

概ね追い風を受けるのですが

この時は突発的な向かい風。

坂を上るように

必死にペダルを踏みしめました。

 

 

 

 

出発から60km地点で

この日に初めて見た建物が

このガソリンスタンド。

ちょうど昼頃なので

休憩していくことに。

 

 

 

 

 

やっぱりタジン。

ただ南に下りてきて

タジンの質が下がってきたように

感じます。

美味しい食材が

手に入らないからなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

午後からもうひと踏ん張り。

起伏はほとんどなく

1日中、平坦な道を走るので

5時間ほどで100km

走り切れちゃいます。

 

 

 

 

そして15時ごろには

「タルファヤ」の町に到着。

腹をくくって

灼熱のサハラに来たつもりですが、

あまり汗をかいていません。

日本の方が絶対に暑いだろうな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日もホテルを見つけてチェックイン。

 

 

 

過酷な砂漠の旅のつもりが

毎日ふかふかベッドで

寝させてもらってます。

ああ、気持ち良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1ヵ月ほど走行してきたモロッコですが、

“正式なモロッコ”としてはこの日が最終日。

 

 

というのも、これから向かう

西サハラと呼ばれる地域(黄色部分)は

1970年代に領主であったスペインの手を離れて以来、

“モロッコ”と

“サハラ・アラブ民主共和国”(国連未承認国家)が

互いに領有権を主張しているとても微妙な場所。

 

日本や欧米諸国はどちらの言い分も認めておらず

国連からも「非自治地域」として指定され、

“どこの国でもない世界地図上の空白”という

よく分からない所なんです。

 

よく分からないので

そのままこっそり進んでみることにします。

 

 

 

タンタン出発3日目。

この日もやっぱり曇り。

サハラ砂漠に来てから、太陽見てないです。

 

 

 

道路脇に工事中の“新・道路”を発見。

「もう完成しとるじゃん」ってことで

勝手に侵入してしまいます。

コンクリートは非常に滑らかで

とても走りやすい良い道路でした。

ありがとうございました。

 

 

 

さらにこの日は

心地良い追い風が

終始背中を押し続けてくれました。

風って嫌な時は最悪だけど、

良い時はホントに良いヤツです。

ありがとうございました。

 

 

 

そして気がつくと「西サハラ」に

該当する地域に入っていました。

検問もないし、ゲートもないし

本当に何もない。

モロッコはやはりしっかり

国旗でアピールしています。

 

 

 

小さな食堂でお昼休み。

ただ卵を潰して焼いただけのものを

“オムレツ”と呼ぶのは

やめてほしいんですけど…。

国連も認めないと思うんですけど…。

 

 

 

 

午後からも引き続き

良い風に乗りつづけることが出来ました。

暑くないし、風は吹いてくれるし

サハラって本当に良い所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして100kmほど走ったこの日、

西サハラ地域最大の都市「ラーユーン」に到着。

 

サハラの真ん中に

20万もの人口を抱える都市が

あるんです。

世界は知らない場所だらけ。

 

 

 

複雑な状況に揺れる西サハラですが

実効支配しているのはモロッコ。

暮らしてる人、言語、通貨など

これまでのモロッコとなんら

変わりはありません。

赤い国旗がなびいてます。

 

 

 

連日100km以上漕ぐことなんて

いつ振りだろうか。

スイスイ進んでいく気持ち良さを

感じながらも

疲労は着実に溜まっています。

 

 

 

ベッドに倒れ込んでひと休み。