責任感あふれるモロッコ警察

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【419日目 16,553km】

 

賑わうマラケシュの街を後にすると

南へと下っていきます。

 

 

 

モロッコ前半はシャウエン、フェズ、マラケシュと

たっぷり観光を楽しみました。

これからは走行、走行で

とにかく南を目指していきます。

 

 

 

幸い海に向けてのルートは

起伏が緩やかで

走りやすい。

まずは海沿いの街

「アガディール」を

目指します。

 

 

 

マラケシュ周辺は

気温がぐっと上がると

聞いていましたが、

意外と涼しくて快適。

おそらく30℃前後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼はやっぱりタジン。

ずらっと並ぶ鍋が七輪でグツグツ煮込まれているのを見ると

寄らずにはいられないんです。

これはズルい…。

 

 

 

旅をしていて

ここまで1つの料理にハマる

っていうのは初めてじゃないだろうか。

野菜たっぷりで

意外と素朴な味が良いんです。

 

 

 

 

店の前で仲良くなった兄ちゃんが

メロンをくれました。

中央アジアもそうだったように、

昼夜の寒暖差がある地域は

メロンとスイカが甘くて

本当に美味しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近のお気に入りアイテムがコレ。

青の町・シェフシャウエンで買った絨毯(¥3,000)です。

 

最も気温が上がる昼過ぎの13~15時は、

体力を消耗しないためにスペイン人にならって

“シエスタ(昼寝)”を導入しています。

(僕は今フリーターなのでどれだけ寝てもいいんです。)

 

道ばたにこの絨毯を敷いて

ごろんと横になるのが実に心地良い。

やわらかな布の感触を味わうと

まるで部屋の中にいるような感覚になるんです。

いや、ホントに。

 

 

 

このときも廃屋の陰で

絨毯敷いてひと休み。

ロバが見守ってくれてるので

防犯面もバッチリです。

ロバって物凄い鳴き声で鳴くんですよ、

「ヴエ゛ーッ、ヴア゛エ゛ー!」って。

 

 

 

 

 

 

 

 

しっかり休んだら走行再開。

16時くらいになると

若干暑さも和らいで

走りやすくなります。

遠くに見える山が美しい。

 

 

 

 

この日は100kmほど走ったところで

町を発見。

まだ走れるけどここでストップ。

体力を温存しつつ、

距離もおさえ気味で走ることを

心がけてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

着いたのは「イミンタノウテ」という町。

あまりルートの下調べしてなかったけども、

ここまで賑やかな町があるとは。

 

野宿の予定でしたが、

警察に身元確認をされ

「安いホテルがあるからそこに泊まりなさい」

との指示を受けてしまいました。

 

 

 

地元の人がホテルまで

案内してくれました。

大きなベッドが置かれた部屋が

¥600。

田舎は観光客価格じゃないから

助かります。

 

 

 

町の中心部にくり出して食事へ。

肉屋の店先に大胆に吊るされた

牛肉にそそられてそのまま購入。

軽やかな手つきで捌いてくれます。

 

 

 

 

 

さらに魚3匹(¥20!)も買って

近くの食堂で焼いてもらいます。

モロッコで数回目の

食材持ち込みスタイル。

食べたいものを食べたいだけ

食べられるから非常に便利です。

 

 

 

日本なら毎日そうめんしか食べたくない

ってくらい暑いにもかかわらず、

ここしばらく非常に食欲旺盛なんです。

1日1回は牛か羊の肉を

食べないと気が済まない。

どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マラケシュ出発2日目。

肉を食べてしっかり寝たらこの日も走ります。

 

 

 

前日はほぼ平坦だったのですが

この日は700mほどの標高を

一気に上って一気に下るという行程。

アップダウンがちまちま続くより

上りっぱなしの方が気分が楽です。

 

 

 

 

気温が上がりきらない午前中に

とにかく上る。

途中、大型トラックが道ばたに

はみ出してひっくり返ってました。

気の毒すぎて写真撮れなかったんですが

何があったんだろう。

 

 

 

昼前に峠を上りきったあたりで休憩。

一度絨毯の上でリラックスモードに

入るとなかなか走り出せなくなります。

冬場コタツから出られないみたいに。

なんせやわらかい布の感触によって

部屋の中のような居心地なので…。

 

 

 

午後からは緩やかな下りが

数十kmに及んでいました。

風を切りながら

のんびり走れると思いきや、

強い向かい風のせいで

結局必死に漕ぐことに。

 

 

 

そして夕方、

この日は70kmほど走って

そろそろ寝床を探そうと思いながら

道の脇の小さな集落へと向かいました。

予想以上に長い夜になるとは

露ほども知らずに。

 

 

 

 

 

 

18時ごろに着いたのは

「イムーゾーウ」という地域の小さな集落。

 

広場で談笑していた人たちに声をかけると、

「あそこの食堂の軒下なら

安全だしテントを張ってもいいよ。」

ということで、

村の人たちと楽しく話をしながら

食堂が閉店するまで待つことに。

 

 

21時頃、日が暮れてもまだ食堂は閉まらないので

相変わらずみんなでヘラヘラ笑いながら

お喋りしていました。

 

すると、

ヘラヘラ笑う村人たちとヘラヘラ笑う僕のもとに

キリッとした男性がやって来ました。

 

「ここで泊まろうという日本人とは君のことかね。

私はこの村の責任者だけども

保安上、君をここに泊めるワケにはいかないから。

もう警察にも連絡しちゃったから」

 

この村長的男性の出現によって

この集落には泊まれないことが確定。

ヘラヘラしてた村人たちも解散して、

とりあえずその場で男性と一緒に警察を待つことに。

 

 

30分ほどしてパトカーが到着。

「てか、外国人が宿泊施設以外に泊まるのNGだからね。

今日は警察の駐在所にテント張ってもらいます」

ということでパトカーに自転車を載せると

10kmほど離れた駐在所に身柄を移送されました。

 

 

 

到着するなり入念な身元確認。

これまでのルートや今後の予定を根掘り葉掘り聞かれました。

 

こちらからも事情を聞くと、

昨年は外国人をターゲットにした

残虐な殺人事件も起きているモロッコ。

 

観光が大きな産業であるこの国で、

外国人旅行者がトラブルに巻き込まれることは

何としても避けなければならないので

単独の野宿などは当然不可。

警察も旅行者の安全管理をしなければならない

とのことでした。

 

 

「こちらの安全を気にかけてくれてるんですね」と

感謝の念を抱きつつ、

テントに身を落ち着けたのは深夜0時ごろ。

思わぬ展開に身も心も疲れてぐっすり眠りにつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌朝。

「お腹ぺこぺこですけど朝食は付いてないんですか?」

なんて聞けるはずもなく、

お世話になった警察の方に見送られて出発です。

 

 

 

少し山を上ると、急な下り坂を

一気に駆け下りていきます。

カーブの少ない坂を

猛スピードで滑り降りるって

自転車で1番気持ち良い瞬間です。

 

 

 

 

途中の村で早めのランチ。

(だって警察には朝食ついてないから)

もはやタジン以外には目もくれません。

ぺっこぺこの胃袋に流し込むタジンは

これまた格別です。

 

 

 

 

山を下りきると都市部に突入。

見渡しても荒野が広がってないのは

かなり久しぶりな気がする。

渇いた大地の果てになんとか

モロッコ西部沿岸までやって来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マラケシュから走ること3日間。

海辺の街「アガディール」に到着。

 

ビーチリゾートの街に見所はさほどなさそうなので

ゆっくり体を休ませたいと思います。