心優しきアラブ人

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【403日目 15,827km】

 

 

青の町・シャウエンでの観光を終えると

次なる場所へ向けて走り出します。

 

 

 

シャウエンが位置するのは山の上。

走り始めは

一気に傾斜を滑り降りていきました。

 

 

 

海辺に比べて緑が増えました。

何もない土色の岩山に比べれば

見てるだけで

暑さが和らぐような気がします。

気持ちの問題だろうけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走り始めて1時間ほどのこと、

道の途中で大きな荷物を携えた

ブラジル人サイクリストと出会いました。

(写真撮り忘れたけど…)

 

彼は僕がこれから向かう西サハラから北上してきたらしく、

1ヵ月近く走ったモロッコで

最初に出会ったサイクリストが僕だとのこと。

 

 

他のサイクリストがいないということは

間違った季節に間違った国を走っているということなのか…。

それほどこれからやってくる暑さは厳しいのか…。

いや大丈夫。絶対に大丈夫。

…うん、大丈夫大丈夫。

 

 

 

昼は小さなカフェで休憩。

「なんか食べさせて」というと、

煎り卵が出てきました。

料理というより

ホントただの煎り卵。

 

 

 

 

午後からは比較的道は平坦。

ただ14時頃になると

ギラギラ輝く太陽に

汗が止まりません。

まだ35℃まであがってないだろうけど

かなり暑い…。

 

 

 

とにかく頻繁に休みを取ります。

スペインとあまり変わらないと

思っていたけど、

やっぱりかなり暑くなってます。

1日の走行計画を見直さねば…。

 

 

 

 

ヨーロッパと違って

自転車乗りの方はいなくなったけど、

ロバが引く馬車(ロバ車?)が

すごく多いんです。

いつ着くの?ってくらい

遅いので追い越してきますけど。

 

 

 

少し涼しくなってきた夕方、

そろそろ野営地を探そうと

思ったところで、

「ジョルフ・エル・メルハ」

という町が見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝床を探す前にまずは腹ごしらえ。

この日のディナーは道ばたのケバブ屋さん。

 

 

 

炭火焼きのビーフケバブ。

つまりバーベキューなのですが

これが疲れた体に染み渡る

美味しさ。

 

 

 

 

 

値段はおよそ300円。

イランでは毎日食べすぎて

ケバブにはうんざりだったのですが

久々に食べるとやっぱり美味しい。

モロッコ後半には

また飽きるんだろうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに町のなかにテントは張れないので、

少し離れた場所で集落を発見。

テントを張らせてくれないかと頼んだところ

集落のモスクに泊めてもらえることになりました。

 

 

 

完全なる野営を予定してたけど、

屋根の下に

なんと布団まで敷いていただきます。

蚊はすごい出るけど…。

文句言うな。

 

 

 

 

さらに

「お腹減ってないかい?」と

お食事まで提供していただく始末。

モスクには宿直の方がおられるので

本当に至れり尽くせり。

 

 

 

 

突然やって来た異国からの旅人を

暖かいおもてなしで迎え入れてくれるモロッコの人たち。

同じイスラム教国である中東・イランを思い出しました。

心優しきアラブ人に感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は朝から曇り。

曇り空ってどんよりして好きじゃないけど、

さすがにモロッコの暑さのなかでは

嬉しい気持ちが上回ります。

 

 

 

あたりは牧畜をおこなう

小さな集落がときどきあるのみ。

人間よりも

牛や羊を見かけることの方が

多いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前の晩モスクで現地の方の優しさに触れたこの日に

ちょっと悲しい出来事が。

 

小さな集落を通過する際に

子供たちに石を投げられました。

しかも背中に命中。

 

イラッとしたけど、

実はこれアフリカを走るサイクリストによくあることで

人種差別というよりも

子供たちは多分ふざけて遊んでるだけ。

(許せないけど…)

 

 

でも、

その1時間後には車で通りがかったおじさんに

「ようこそモロッコへ、楽しんでけよ!」と、

冷たいペットボトルの水を頂きました。

 

旅には色んな側面があって、

なるべく明るく楽しい面を見るようにしなければ

長い旅を続けていくことは出来ないです。

体調を整えるのと同じくらい、

心のバランスを保つことも大事。

ポジティブ、ポジティブ。

 

 

 

この日は前よりも

かなり起伏が激しく

時には自転車を押しながら

ゆっくりゆっくりと進んでいきました。

 

 

 

 

 

午後からは雲がなくなり、

青空が広がりました。

同時に気温も上昇、

暑い日の上り坂は本当に過酷。

ふらふらになりながら

黙って歩を進めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

峠を越えたはるか向こうに

目的の街がぼんやりと見えてきました。

 

 

 

さらにいくつかの坂を越えて

市街地に突入です。

ほっとするけど

モロッコの街はかなり汚くて

でっかいゴミ箱の中にいる気がする。

クサい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

シャウエンから走ること2日。

暑さのせいでたった2日間なのにどっと疲れたけど、

シャウエンにならぶ人気観光地フェズに到着です!