青の町・シェフシャウエン

投稿日:

【400日目 15,634km】

 

モロッコの玄関口タンジェを出発し

ついにアフリカ旅が開始。

まずはモロッコの一大観光地を目指します。

 

 

 

道ばたで野宿をした翌朝、

天気は快晴。

前日に引き続き気持ちよく走り出すも

待ち構えていたのは長く続く上り坂。

 

 

 

午前中は涼しいのでまだマシだけど

これからモロッコ南部までは

山が続く予定なので不安。

峠を越えた向こうにはまた峠。

モロッコは初っ端からハードです。

 

 

 

 

このあたり路肩は

あまり整備されていないけど

交通量が少ないのが救い。

さほど車を気にすることなく

走ることが出来ました。

 

 

 

 

昨晩の野営地から40kmほど、

最後に大きな坂を上り切ると

目的の町が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やって来たのは「シェフシャウエン」、

モロッコで最初の観光地です。

 

 

 

着いたのはお昼過ぎだけど

2日間走っただけで体はバテバテ。

宿にチェックインした後は

そのままベッドに倒れ込む。

夜に中華だけ食べたら

この日は終わりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日はいよいよ観光開始。

 

家の壁から階段まで

すべてが真っ青に塗られたシェフシャウエン。

 

地元の人からもシンプルに「シャウエン」と呼ばれ、

“青の町”として有名な景色は

世界中からの多くの観光客を魅了しています。

 

 

 

「メディナ」と呼ばれる

城壁で囲われた旧市街は特に真っ青。

迷路のように入り組んだ路地の

目に飛び込んでくる一面の青。

現実離れした絵画のような

空間です。

 

 

 

この時、朝食前の朝8時ごろ。

地元の方と時々すれ違うくらいで

他の観光客もおらず、

青の世界を独り占め。

幾度となくシャッターを

押してしまいます。

 

 

 

朝の時間帯は

細い路地まで日が差し込んでこず、

少し影のある

深い青を楽しむことが出来ます。

無機質ですごく幻想的。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧市街を見下ろす丘の上から眺めた

シャウエンの町並み。

 

およそ500年前に

スペイン・イベリア半島を追われたイスラムの人々が

地元の民族やユダヤ人と共に住み始めてできたというこの町。

 

 

 

山の斜面に民家が密集している様子は

かつてイスラム王朝が支配していた

スペイン・アンダルシア地方

にも似ています。

人の移動と共に文化も海峡を越えた

というのがよく分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

気になるのがシャウエンが青く塗られている理由。

町の人にも聞いてみたのですが、

誰も明確な理由を知りません。

 

ただ広く知られている説が2つあるようで、

まず1つがイスラム教、ユダヤ教ともに

“青”を神聖な色と捉えているからという説。

 

そしてもう1つが

「青は蚊が嫌う色だから」という説。

 

 

 

実際にシャウエンでは、

8月になっても蚊はいないらしく

お年寄りの方もこの町では

蚊に刺されたことがないそう。

なんとも合理的な理由ですが

真相はいかに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

日中に再び旧市街を歩くと

朝とはまた違った様子を楽しむことが出来ました。

 

 

 

現地の伝統工芸の絨毯が

壁一面にズラリ。

ビビットな色が

青の景色によく映えます。

 

 

 

 

 

朝は何もなかったのに

物凄い数のみやげものが

路地に現れていました。

毎日出したりしまったり

大変そうだけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人気の撮影スポットには人が殺到。

順番待ちをしなければ撮れないほど。

朝はあんなに静かだったのに、

もの凄い賑わいです。

 

 

 

日の光に照らされた青もまた素敵。

時間帯によって色の映え方が

違って見えるのが面白いです。

暑くてずっと歩いてられないので

宿に戻ったり、また出かけたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャウエンの町には

たくさんのお土産屋さんがひしめいていますが

その中で流暢な日本語を操って声を掛けてくる男の子が…。

彼の名は“モハメドくん”、17歳。

 

 

 

4年前から本格的に外国語の勉強を

始めたというモハメドくん。

アラブ語、英語、フランス語、

スペイン語、中国語がペラペラ。

1番苦手だという日本語も

かなりのレベルです。

 

 

 

日本語を教えながら一緒にディナー。

言葉巧みに言い寄ってくる商人は

山ほどいますが、

彼からは純粋に日本語を勉強したい

という気持ちが伝わってきました。

楽しい時間だったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャウエンの町を歩いていると

お土産屋さんでしょっちゅう目にするのが

手のひらに目が描かれたこのマーク。

 

 

調べてみると、

“ファティマの手(またはハムサ)”と

呼ばれるもの。

 

イヴィル・アイ(邪視)という呪いの視線を除ける効果があり、

北アフリカや中東で広く知られているそうです。

 

 

 

要は事故や災難から

身を守ってくれるお守り。

タクシードライバーなんかも

交通安全を祈願して

ミラーからぶら下げているとか。

 

 

 

 

キーホルダーやマグネット、

財布やバッグの柄にいたるまで

とにかく色んなものにおいての

モチーフとなっている

ファティマの手。

 

 

 

 

アクセサリー屋さんに行って

アフリカを走行する旨を伝えると、

「ファティマの手は

君の旅にぴったりのお守りだよ!」

とのことで、

さっそく作ってもらうことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

色はもちろんシャウエンブルー。

(汚い足見せてゴメンなさい。)

 

 

危険な自動車や盗人、マラリア。

ゾウやライオンにカバ。

アフリカ大陸には危険な存在がうようよしていますが

そんなヤツらを

“ファティマの手”で退けながら進んでまいります!