特別賞受賞

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【380日目 15,101km】

 

 

 

スペインも後半戦に突入。

ムルシアから次なる場所へと走り始めます。

 

 

 

天気は雲一つない快晴。

午前中の間は暑さを気にすることもなく

気持ちよく漕ぎ出します。

 

 

 

ヨーロッパ全体に言えることですが

スペインでも自転車文化は盛ん。

いたるところで

何人もの本格的な

ロードバイク乗りの人たちに

追い抜かれていきました。

 

 

 

主要の幹線道路に沿って走ってます。

路肩は狭いけど

そこまで交通量がないので

割と余裕をもって

進むことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうど昼頃にたどり着いたのは「ロルカ」という町。

中央にある高台に立つと

町の全体を見下ろすことが出来ます。

 

 

 

渇いた荒野の中にあらわれた

土色の石で造られた家々。

同じヨーロッパとはいえ

イタリア、フランスとは

明らかに違うスペインならではの

町という雰囲気です。

 

 

 

特に重要な観光名所はないらしく

散策している観光客の人とも

ほとんどすれ違うことはありません。

でも、何気ないただの町角が

すごく綺麗な場所でした。

 

 

 

 

再び走り始めて

午後にはスペインの

最も南に位置する

「アンダルシア州」に

突入しました。

 

 

 

 

この日はあまりの暑さに

かなり疲れが溜まったので

スペインで初めて宿に泊まりました。

30℃は優に超えてたと思います。

といっても去年の中央アジアは

毎日これ以上の暑さだったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベッドでしっかり休んだら翌日も朝から走り始めます。

ムルシアあたりから緑は減っていましたが、

このあたりからさらに渇いた荒野へと

景色が変わっていきました。

 

 

 

暑い時期のサイクリングは

涼しい午前中に

どれだけ距離を稼ぐかが大切。

暑さと同時に着実に戻ってくるのは

中央アジアの砂漠を走った時の感覚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

面白いことが起こったのは、

お昼に何か食べようと

「オルラ・デル・リオ」という

小さな町をウロウロしていた時のこと。

 

何か自転車のイベントをしていたらしく

サイクリストの集団に出くわしました。

 

 

パシャパシャと写真を撮っていると

「お前もついてこいよ!」と手招きされたので

何もわからぬままとりあえずついて行ってみることに。

 

 

 

たどり着いたのは

町の外れにある大きな倉庫。

中にはサイクルジャージを着た

サイクリスト達が100人ほど

いたでしょうか。

 

 

 

 

聞けば、この日

午前中は自転車レースをしており

午後からはこの倉庫で

打ち上げのパーティーが行われるそう。

会場に入るなり大勢の方に囲まれ

スペイン語の質問が飛び交いました。

 

 

 

パーティ-で皆が食べるのは

大きな鍋で炊かれた「巨大パエリヤ」。

スペインではイベント時の恒例なのか?

これで約100人分はあります。

何でも“デカい”ってだけで

興奮しますよね。

 

 

 

 

「特別ゲストなんだからお前も食え!」

と言われたので

遠慮なくご相伴にあずかりました。

こないだバレンシアの有名店で食べたけど

なんら遜色ないほど美味しかった。

きっとデカい鍋だから美味しいんです。

 

 

 

食事を済ませると

自転車レースの表彰式が始まりました。

少年の部、女性の部と

順に発表され、

表彰されていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてなんと、

日本からの特別ゲストとして

“リョウスケ・トモタケ”が

町長特別賞を受賞してしまいました!

 

 

日本でも手にすることのないトロフィーを

スペインの片田舎でもらうことになるとは…。

ふらっと立ち寄っただけなのに、

気を使っていただいて申し訳ない。

 

自分の好きで誰のためにもならない旅をしてるのですが

こうして現地の人たちに暖かく迎えられると

心から嬉しく思います。

 

こんな思いもよらぬ出会いがあるから

「また先へ進んでいこう」

という気持ちになるんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、パーティーが終わると

もう少しだけ進んでおきたかったので

再び走り始めます。

乾いた大地はどこまでも続く。

 

 

 

 

 

岩山のふもとに

人の来なさそうな場所を見つけ

テントを張ることに。

日が沈まないから

気温も下がらない。

 

 

 

 

 

日が長いぶん自転車を漕げる時間も

長くなるのですが、

毎日長時間漕いでられないので

正直8時ぐらいになったら

もう暗くなってほしい。

文句言っても仕方ないけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野宿で夜を明かすと

引き続き走り始めました。

山の中にも自転車専用道が整備されており、

とても助かります。

 

 

 

 

遠くを眺めれば風力発電の風車が。

風車って牧歌的で好きなんですけど、

これがあるってことは

風が強い地域ということなので

「びくっ」と不安になってしまいます。

この時は強風は吹いてなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな町で一休みして

午後から再び走り始めたとき、

ちょっとしたハプニングが…。

 

 

荒野の道を何となく走っていると

知らないうちに自動車専用のバイパスに侵入しておりました。

 

ビュンビュンとすごい勢いの車に

追い抜かれつつおろおろしていると

バイクに乗った警察がやってきます。

 

「ここは自転車走行不可だから次の出口で降りなさい。」

 

バイパスを降りたところで他に道は無いしどうしよう、

と悩んでいるとガソリンスタンドを発見。

しばらくしてやって来たワンボックスバンのドライバーさんに

事情を説明すると、自転車ごと載せてくれることに。

 

とてもスムーズにヒッチハイク成功です。

人にやさしさに助けられてばかり。

 

 

 

車を降ろしてもらった先に着いたのは

「グラディックス」という町。

遠くの山の頂には雪が見えるけど

まだまだ暑い…。

 

 

 

 

 

全然下調べをしてなかったけど

ものすごく綺麗な街並みでした。

スペインの小さな町って

どこも真ん中に教会が建ってて

美しいところが多いです。

 

 

 

 

この日も暑いうえに

目的地に早くついてしまい

日没まで時間がありすぎるので

キャンプではなく

宿に泊まることに。

 

 

 

 

クーラーが効いてなくても

屋内は涼しいし、ベッドはふかふか。

幸せ…。

キャンプばっかりしてると

初めてやってきた宿でも

快適すぎて家みたいに感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐっすり眠って

明くる日は山を越える行程。

気合を入れて出発です。

 

 

 

起伏もかなり激しくなってきました。

暑い中での上り坂は

本当に過酷。

景色を楽しむ余裕もなくなります。

 

 

 

 

 

したたる汗をぬぐうこともせず

黙々と山を登り、

峠にたどり着きました。

ここからは下り坂。

 

 

 

 

 

気持ちよく滑降していると

緑も増えた山の中に

鮮やかなエメラルドグリーンの湖が。

断崖でなければ服を脱いで

飛び込んでしまいたいほど

綺麗な水辺でした。

 

 

 

やがて斜面も緩やかになり

平坦な道を進んでいきました。

スペイン南部は

緑が減ったり増えたり

とにかく景色がコロコロ変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてたどり着いたのは

スペイン南部の観光都市「グラナダ」。

 

この街でしばし疲れを癒し、

観光を楽しみたいと思います!