南仏プロヴァンス

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【348日目 13,503km】

 

 

ニースにてオルダさん一家とはお別れ、

またひとり旅が始まります。

 

 

 

ニースでは1日だけ休暇を取りました。

 

海辺の風が気持ち良い街ですが

いかにもリゾート地といった様子で、

ズンズン鳴ってる音楽に身を揺らせ

お酒をグイグイ飲むような人たちの場所なので

貧乏な旅人が寄り付くには場違いだったように感じます。

 

ということで

ニース名物の延々と続く海辺を走りながら出発。

 

 

 

そのまま海岸を進めば

映画祭で有名な「カンヌ」や

南フランスの大都市「マルセイユ」を

訪ねることもできたけど、

リゾート地はお腹いっぱいなので

山へと入り込んでいきます。

 

 

 

海岸部から内陸へ移動する際には

山を越えなければなりませんでした。

傾斜は緩やかですが

登りがどこまでも続いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

70kmほど走ったこの日、

山奥に湖を発見。

久々にキャンプ場ではない

完全なる“野宿”をすることに。

 

 

 

4月下旬のフランスでは

日がとっぷり沈みきるのは

夜の9時頃なので

8時なんてまだまだ明るい。

料理をしながら湖畔の静寂を

1人占めしてやりました。

 

 

 

この日の朝まで

賑やかなニースに滞在してたので、

改めて

静かな自然の尊さを感じつつ

テントの中眠りにつきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと

湖はもやがかかって何とも幽玄な雰囲気。

 

ただ山を越えたことで

海辺に比べて気温が下がってしまったので

少し風邪気味に…。

ゆっくり休める場所もないので覚悟を決めて進んでいきます。

 

 

 

イタリアから国境を越えてすぐ

フランス南東部のこのあたりは

「プロヴァンス」といわれる地域。

広大な土地の遠くに山がそびえる

一帯はワインが有名。

日の光が気持ちよく降り注ぎます。

 

 

 

日が高くなるにつれ

気温も上がって来たけれど

少しづつ体に悪寒が…。

朝の気温の低下が確実に影響してます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということでこの日はわずか40kmほどを走って

「ドラギニャン」という町のキャンプ場に

早めのチェックイン。

 

体調悪いし安宿とろうかなとも思ったけど、

最低でも¥6,000からなのでやっぱりテント泊です。

 

 

 

体を温めるため

パスタのクリーム煮。

イタリアを脱出しても

まだまだパスタ生活は

続いていくんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、体調は改善しないものの

悪化はしていないのでなんとか進みます。

走れば治ると信じる。

 

 

 

この日も雲ひとつない青空が

広がりました。

気だるい体にムチ打って

なんとか前に進んでいきます。

 

 

 

 

 

小さな村が点在している

プロヴァンスの道。

ローマを目指して走った

イタリア・トスカーナを

思い起こさせます。

 

 

 

 

この日もキャンプ場へ。

走っている最中は

アドレナリンが出てるから

なんとか気力を保てるけど

走り終わる頃には疲れが

どっと押し寄せて倒れそうになります。

 

 

 

しんどい時こそ

しっかり食べるようにしてます。

とにかく野菜を鍋に放り込んでしまえば

栄養は摂れる。

しっかり食べたらしっかり寝る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニースを出発してから4日目。

この日には目的の場所へ到着する予定。

 

 

 

色鮮やかな花が咲き乱れる

プロヴァンス地方。

このあたりイメージ通りの

フランスといった感じです。

優雅な気分でのんびり

ペダルを漕いでいきました。

 

 

 

峠を越えた向こうに見えたのは

家々が身を寄せ合う町「ボニュー」。

プロヴァンスにはこのような

山の上に砦のごとくつくられた

町がいくつも存在しています。

 

 

 

 

上から見下ろすと

土色の瓦とその向こうに広がる緑が

目の前に広がります。

しばらく海ばかり眺めてたから

山の景色がとても新鮮で落ち着く。

 

 

 

 

ボニューの町を下りて

さらに西へ。

田舎にもこのような自転車専用道が

整備されているフランス。

イタリアにも負けない

さすがの自転車先進国です。

 

 

 

 

 

 

そしてプロヴァンス地方の西の端、

「キャブリエール」という小さな村で迎え入れてくれた

Warm Showerのホスト“フローレンスさん”のお宅へ。

フランスで地元の方のお家へお邪魔するのは

これが初めて。

 

 

 

到着するとさっそく玄関先のポーチで

夕食をご馳走に。

「フランス料理じゃなくてごめんね」

と食べさせてくれたのはボロネーゼ。

イタリアが近いこともあって

やはりパスタは日常食みたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

到着の翌日、フローレンスさん宅から

ひょいと出かけたのは

プロヴァンス地方で最も楽しみにしていた場所

「ゴルド」。

 

前日に訪れたボニューと同じように

山上に多くの家々が密集したこの地域特有のつくりで、

これらは“鷹の巣村”などと呼ばれているそう。

 

その鷹の巣村の中でも

最も形が綺麗といわれ、

国内外から多くの観光客を集めているのが

このゴルド。

“フランスで最も美しい村”と形容されることもあるそうです。

 

 

 

離れてみれば美しいのですが、

村の中に入り込んでしまえば

ホテルやお土産ものが並ぶ

ごく普通の村でした。

絶景は遠くから見るもの。

 

 

 

 

村の高台からはプロヴァンスの

緑地が広がっている様が

よく見渡せます。

結構起伏もあって

よくここを漕いできたもんだと

我ながら感心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなプロヴァンスの片田舎でのめぐり会いについて。

 

フローレンスさんのお家に

到着した日の夕食時の会話。

 

「日本に帰りたくなることないの?」

「帰りたいとは思わないけど、日本食が恋しくなるときはあるよ」

「それならこの近くに日本人住んでるわよ!」

 

 

ということでフローレンスさん夫妻と歩いて向かったのは

フランス人の旦那さん、息子さんと一緒に

現地で暮らして15年にもなるという

京都ご出身の“ミツコさん”のご自宅。

 

久しぶりに飲むカルピスに大興奮し、

さらに翌日の昼ご飯をご馳走になることに決定。

 

 

 

白ごはんに味噌汁、梅干しなどなど

レストランとは違う

家庭ならではの日本食を

ご馳走になりました。

最初みそ汁を口に含んだ時の

感動が忘れられない。

 

 

 

さらにデザートには

「パウンドケーキ

~プロヴァンスの小豆を添えて~」

を頂きました。

母国の味に取って代われるものなんて

ないですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちら、お世話になったホストのフローレンスさんご夫妻。

 

離れて住む息子さんたちもみんな

自転車に乗って旅をするのが好きな

サイクリストだそう。

 

 

 

かつてはパリに住んでいたけど、

現在はプロヴァンスで

悠々自適のスローライフを

送ってらっしゃいます。

仲の良い穏やかなご夫婦でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発の朝、見送りにきてくれた

ミツコさんとミキオくん(息子さん)と一緒に。

 

旅をする日本の方とはよく会いますが

現地で暮らす方とお会いすることはなかなかありません。

 

住んでいるからこそ分かるフランスの事情など

面白いお話を色々聞かせてもらいました。

 

さらに、

伸び放題になっていた髪もさっぱり散髪してもらいました。

(写真じゃわかりにくいけど…。)

 

 

出会いは予想できないから面白い。

この調子でフランス進んでいきます!