シルクロード走破!
【323日目 12,430km】
フィレンツェからローマを目指し
引き続きイタリアを南下していきます。
巡礼の道を進みはじめて4日目。
緑豊かなトスカーナの風景も
そろそろ見納めです。
この日は自動車道に沿って
進んでいきました。
車を気にしながらだけど、
そこまで交通量もないので
丘の上の未舗装路を走るより
だんぜん快適。
フィレンツェからの道のりで
残念だったのが、不安定な空模様。
終日雨ということはないけれど、
綺麗な青空が澄み渡っていれば
もっと綺麗なトスカーナが拝めたのに。
まあ、これが旅ってもの。
およそ60kmを走ったこの日は
「ヴィテルボ」という街に到着。
またも教会に併設してある
宿泊施設に泊まりました。
1人部屋だし、Wi-Fiもあるし
普通のホテルと比べても
遜色ない居心地の良さです。
そして、巡礼の道5日目。
いよいよイタリアの首都・ローマに到着する日です。
ローマが近づくほどに
建物が増え、車の数も増えていきます。
中国から始まったシルクロードの旅を
頭の中で振り返りながら、
少しづつ終着の地への距離を
縮めていきました。
80kmほどを走ったところで
市街地に突入。
橋を渡った向こうには
“永遠の都”と呼ばれる
ローマの街並みが広がります。
そして、午後2時ごろ。
ついにイタリアの首都、
そして
ユーラシア大陸を結ぶシルクロードの西の果て、
「ローマ」に到着しました!
昨年の5月、
中国・上海を出発した時は
本当にたどり着けるのかと不安ばかりだった
旅の始まり。
しかしいざ走り出してしまえば、
かつて交易品が人から人へと渡り
“絹の道”を伝ったように、
その土地に住む人々の優しさに触れながら
少しづつ道のりを紡いでいくことができました。
ユーラシア大陸横断までもうひと踏ん張り、
世界一周を思うとまだまだ先は長いですが
それを成し遂げるための
自信を得ることができたのではないかと感じます。
ローマでは受け入れてくれるホストを
見つけることができずゲストハウスに滞在。
大都市では宿泊先での盗難トラブルなども話に聞くので
ちょっと不安だし高いけど仕方ない。
到着の晩は
シルクロード走破の慰労として
ステーキをたいらげてやりました。
疲れ切った後には
肉汁が血管の先の先まで染み渡る。
翌日は朝からローマ観光へ。
まず最初にバスで向かったのは
世界一小さな国として有名な「バチカン市国」。
この白線の内側がバチカン市国。
パスポート査証などはなく
行ったり来たりし放題。
朝一番だというのに
ものすごい人が集まっていました。
線の内側、沢山の人が集まっている
サン・ピエトロ広場。
ここからバチカン美術館、
サンピエトロ大聖堂などの
見所へと向かうのですが
どの施設も入場するためには
長蛇の列に並ばなければなりません。
先頭がどこなのか最後尾がどこなのか
まったく分からないほどの長い列。
数時間待ちは当たり前だそう。
列に並んでいる時間はないので
外観だけ眺めた「サン・ピエトロ大聖堂」。
キリストに従えた使徒ペトロの墓でもあるこちらは
キリスト教関連では世界最大級の建築物だそう。
雰囲気だけ味わって早々に退散です。
次にバチカン市国から歩いて向かったのは
ローマといえばまず最初に
思いつくであろう場所「トレヴィの泉」。
「再びローマに戻ってくることができる」
という言い伝えを信じて、
後ろ向きにコインを1枚投げ入れました。
後から調べて知ったのですが
2枚投げると、「好きな人と永遠に結ばれる」
3枚投げると、「恋人や伴侶と別れることができる」
らしいです。
現地にお越しの際は
必要に応じた枚数をお投げください。
トレヴィの泉でとにかく凄かったのは
泉をとり巻く圧倒的な人の数。
決して広くはないこのあたりに
数え切れないほどの人が
ぎゅうぎゅう詰めで集まっていました。
本当はローマ到着直後に
自転車も一緒に記念撮影したかったけど
とてもそんなことができる
余裕はありません。
観光地では当然のことながら
スリの発生率もものすごく高いそうです。
こちら教会へと向かう階段が有名な
「スペイン広場」。
ローマの休日だけでなく
色々な映画やドラマで見たことある気がする。
近くにスペイン大使館があることで
この名前がつけられたそうです。
ローマの中心に位置しており、
階段に座って一休みしながら
道行く人をぼうっと
眺めるのにピッタリの場所でした。
階段を1番上まで登れば
広がるローマの街並みが見渡せます。
同じ首都でも東京とは違って、
見所が密集しているので
徒歩でも十分観光して回れるローマ。
本当に一瞬で見終わったのは「真実の口」。
昔、ゲームセンターに置いてありましたよね。
今でもあるんでしょうか?
見た目はアレと一緒です。
手を入れてみたかったけど
これまたものすごい行列だったので断念。
そして、最後にやって来たのは
ローマの象徴として
あまりにも有名な「コロッセオ」。
古代ローマ帝国において、
剣闘士たちの戦いが繰り広げられた
もはや人類史を代表する建造物とも
いえるのではないでしょうか。
入場して内部も見れますが
やはり長蛇の列。
外から眺めるだけで
満足してしまいました。
実際の列を見ると
本当にゲンナリするんですよ。
およそ2,000年前に建てられた
超巨大ともいえる円形競技場は
現地でしか味わうことのできない
圧倒的なスケール感。
大きすぎてどこから写真撮ればいいのか
全然わからず、ほとんど撮ってません。
結局、行列を避けてばっかりで
ローマを隅から隅まで堪能したとは言い難いですが…。
(むしろ隅っこをちょっとかじっただけ)
このことから学んだのは、
ローマなど世界中から観光客があつまる大都市では
旅行会社の企画するパックツアーに参加して
行列をすり抜けながら、歴史背景の解説を聞きつつ
要領良く見て回るのが正解だということです。
ボローニャの“ボロネーゼ”に始まった
ご当地パスタ旅。
ローマの名物は言わずと知れた
パスタの大定番「カルボナーラ」。
日本のものと違って生クリームを使用せず、
具はパンツェッタといわれる豚肉の塩漬けのみ。
クリーミーさが無いぶん、
濃厚なチーズの香りと卵のまろやかさが
かなり前面に出てきます。
塩味もしっかり効かせてあり、
カリッカリのパンツェッタとの相性が抜群。
クセが強いので好みが分かれそうですが
個人的には大好きな味でした。
ということで1食では飽き足らず
異なるレストランでリピート。
イタリア人は普段
こんなに美味しいものを食べているのか
と嫉妬するほどの美味しさです。
…あぁ、書いてて食べたくなってきた。
レストランでの定番スイーツは
「ティラミス」。
甘さたっぷりで
舌が溶けそうになるほど
美味しかった。
うん、これもまた食べたい。
旅が終わった後で
「世界で1番料理が美味しかった国はどこ?」
で聞かれると「イタリア!」って
迷わず答える気がします。
意外性もないし、
答えとしてはまったく面白くないけども。
ローマを観光中、
「ヘーイ、マイフレーンド!」と
路上商人がどこからともなく近づいてきて
腕にアクセサリーやミサンガを無理矢理巻きつけた後に
お金を請求してくるという不器用でピュアな手口が横行してます。
「そっちが勝手に巻いといて、払うわけないじゃん」
と無視してやりましたが…。
結果、欲しくないアクセサリーを無料でゲット。
でも要らない。