芸術の街・フィレンツェ
【318日目 12,085km】
美味しいボロネーゼの街ボローニャを後にして
次なる場所へ向かいます。
アレックスさん宅は山の麓だったので、
この日は1,000mの山を越えていく行程。
気合を入れて臨みます。
天気の良かったイタリアの道のりも
少しずつ曇り空になってきました。
ずっと上りなので
急ぎようもないのですが、
雨が降る前に着かねばと
気持ちだけ焦ってしまう。
傾斜は思いのほか緩やかで
お昼ごろには峠が見えてきました。
高さ1,000mの山越えは
かなり慣れてきたように感じます。
足はあまりムキムキになってない
気がするけど。
そして、山の峠に到着。
ここからアペニン山脈の反対側へ
一気に滑降していきます。
再び木に激突するわけに行かないので
ブレーキを握りしめてゆっくりゆっくり
下りていきました。
山を下るとあっという間に
目的地「フィレンツェ」に到着。
またまたWarm Showerを利用して
「カルロさん」という
おじいさんのお宅にお世話になります。
夜はやっぱりパスタ。
パパッと簡単に調理してたようですが
物凄くおいしい。
オリーブオイルとか新鮮なレモンとか
素材が良いからイタリアの料理は
美味しいのでしょうか。
翌日はフィレンツェの観光に出かけます。
天気はあいにくの曇りでしたが…。
写真は街の中心部にある
「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」。
フィレンツェの象徴です。
石造りのドームは
キリスト教建築のなかでも
最大級の大きさだそう。
写真では伝わらない
圧倒的な存在感がありました。
フィレンツェの歴史を語る上で
欠かせないのは、
この地域の実質的な支配者であり
ルネサンス期の芸術家達の
パトロンとなった「メディチ家」。
彼らが収集した芸術作品を
間近で見るためにやってくることが、
フィレンツェを訪れる観光客の目的でもあります。
上記の大聖堂や市役所、そして美術館。
いたるところに作品は展示されているのですが
そのどれも入場料は¥3,000前後。
貧乏旅行者はとてもじゃないけど
すべて入場するわけにはいきません。
そうはいっても何も見ずにこの街を去るのは寂しいので
唯一訪れたのは「ウフィツィ美術館」。
入場料およそ¥2600。
値段の話ばっかりするなって我ながら思います。
展示されているのは
ルネサンス期の彫刻や絵画。
イタリアでも最大規模の美術館らしく
平日にもかかわらず
かなりの人たちが訪れていました。
ヨーロッパ圏では
はじめての美術館。
著名な芸術家の作品を
直に見るのが楽しみです。
「ウルビーノ公夫妻像」
/ピエロ・デッラ・フランチェスカ
というか、
写真撮影OKなことが驚きでした。
みんなパシャパシャ撮りまくってます。
「ヴィーナスの誕生」
/サンドロ・ボッティチェリ
この作品が美術館で
最も有名なものだったでしょうか。
ルネサンスの象徴ボッティチェリ。
人気作品には当然
沢山の人だかりができます。
みんななるべく
前で見ようと必死。
「受胎告知」
/レオナルド・ダ・ヴィンチ
人生で初めてダ・ヴィンチの作品を
目の当たりにしました。
「メデューサの首」
/カラヴァッジョ
インパクトのあるこの作品。
来年、日本にもカラバッジョ展
やってくるそうです。
と、このような作品たちを
3時間ほど見たでしょうか。
作品が強いエネルギーを放っているのか
見終わった後って疲れがどっと押し寄せます。
観光を終えて、帰りの路面電車で悲劇が…。
停留所の券売機で¥160の切符を購入したのですが、
イタリアでは乗車後に
電車内の機械に切符を挿入して
乗車時間を打刻するというルールがあるそう。
これを怠った場合、罰金が発生するのですが
ほとんど電車なんか使わない僕はそんなこと知りません。
目的の駅について電車を降りようとしたところ
乗り合わせていた係員がつかつかやってきて、
「きみ切符に打刻してないね。はい罰金¥6,000」
「いや、そんな決まり聞いてないし!
切符にも説明書いてないし!
ていうか、電車の中にいたんだったら
外国人に優しく説明するのがアンタたちの仕事じゃん!!」
係員が指で示した停留所の掲示板に物凄く小さな英語で
説明書きが書いてありました。
「いやいや、そんなちっちゃいの気づくか!
しかも英語で書かれても日本人だから読めませーん!
したがって、罰金なんて払いませーん!!」
「きみ、さっきから英語で文句言ってんじゃん。
絶対読めるでしょ。
すぐ払わない場合は罰金¥30,000まで増えるよ。
それもここに書いてあるから(指でトントン)」
罰金増額をほのめかされ、
すぐさま財布を取り出すあたし。
EU圏内の交通機関では
割とおなじみの仕組みだそうです。
ヨーロッパご旅行の際はお気を付けください。
お世話になっていたカルロおじいちゃんに報告すると
「フォッ、フォッ、フォ。わしも罰金払ったことあるよ」
とのこと。
現地の人でも打刻するの忘れるなら
システム変えればいいのに!
という行き場のない怒りを飲み込み
また一緒にパスタを食べました。
ちなみこのおじいちゃん
若かりし頃、
バイクでアフリカを横断したという
筋金入りの旅人。
いつまでも払ったお金を悔やんでも仕方ないので
忘れることにします。
あぁ、¥6,000…。