さよなら、トルコ

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【260日目 9,690km】

 

 

イスタンブールをひと通り観光し

のんびりと過ごしたら、

いよいよ西側の国境を目指します。

 

 

 

海峡間の橋は自動車しか走れないので、

船に自転車を載せてヨーロッパ側へと渡ります。

これで本当にアジアとはお別れ。

 

 

 

イスタンブールの都市圏を抜けるには

かなり混雑が予想されるので、

少し北側に迂回するルートをとりました。

 

2時間ほど走るとあっという間に

のどかな風景に変わってしまいます。

 

 

 

交通量が少ないぶん起伏の多い道を進んだため

この日は予定の120kmを走りきることができず、

小さな村“ビンクリチ”に泊まることに。

 

 

 

 

安宿はないかと村人に尋ねると

この村に宿泊施設はないとのこと。

すると、

話を聞いていたとある方が

「ウチの事務所で寝てっていいよ。」

しかも、晩御飯までご馳走になりました。

 

 

 

事務所内のソファーで

そのまま寝かせてもらうことに。

薪ストーブの燃える暖かい場所で

深い深い眠りにつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明けると再び西に向かって漕ぎ出します。

これまでトルコでは見ることのなかった

広大な平原をのんびりと進んでいきました。

 

 

 

80kmほど走ると

“リュレブルガズ”に到着。

小さいけれど

活気のある良い町でした。

 

 

 

 

 

この日、

トルコのチームに移籍した香川選手が

3分間に2点を決める鮮烈デビュー。

イスタンブールは

香川フィーバーに沸いたらしいです。

この町は穏やかでしたが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日もスカッと気持ちのいい青空を見上げながら

見渡す限りの大平原を走っていきます。

 

そして、トルコの道を走るのは

実質この日が最後。

 

気がつけば入国してから64日目。

まったく予定していませんでしたが、

この旅での最長滞在国となっていました。

 

 

 

そして、昼過ぎに

国境の町“エディルネ”に着きました。

隣国ブルガリアまではわずか20kmほど。

 

到着と同時に、

2か月にわたるトルコの旅の思い出が

ぐっとこみ上げてきます。

 

 

 

かつてオスマン帝国の首都であり

古く歴史のあるエディルネは、

トルコ国内からの観光客たちで

賑わいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

この街の象徴は、

世界遺産にも登録されている

「セリミエ・モスク」。

街の中心に堂々と建っています。

 

 

 

およそ500年前、

オスマン帝国時代に建てられた

このモスクは

イスラム建築の最高峰と

称されているそうです。

 

 

 

 

大きなドームを内側から見上げると

イランやイスタンブールで

散々モスク巡りをした後でも

感動するほどの迫力と美しさでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

旧市街には

サフランボルでも見た

オスマン様式の古い家屋が

立ち並びます。

 

 

 

 

 

ほかにも橋や駅など

トルコ建国以前の施設が、

現代も人々の生活に溶け込んだ形で

その姿を残していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜には、

イスタンブールで出会った日本人観光客の方と食事。

同じ旅の身でありながらご馳走になりました。

色んなかたちの出会いがあります。

 

 

 

 

 

エディルネ滞在中にお世話になったのは“エンギンさん”。

イスタンブールに引き続いてWarm Showerです。

もうクセになりそう。

 

 

 

かつて自転車屋を営んでいた

エンギンさん。

この数年で各国からの旅人を

招き入れてきたそう。

壁には感謝のメッセージが

したためられていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷点下の雪山にはじまり、

穏やかな海岸線や緑の大平原まで

様々な景色を見せてくれた

トルコの道。

 

 

 

 

 

圧倒的な自然の光景や

世界史においても大きな存在感を放った

オスマン帝国の遺した建造物など、

旅の魅力がぎっしりつまった

長くて短い2か月でした。

 

 

 

 

優しい人々と美味しいトルコ料理に

後ろ髪を引かれつつ、

次なる国へと向かいます。

 

ということで、

さよならトルコ!