古き町サフランボル
【241日目 9,005km】
大都会アンカラを後にして
次なる場所へと向かいます。
首都であるアンカラは交通量が多く
車を気にしながら走らなければなりません。
ゆっくりとすすみ
2時間ほどかけて都市部を抜けると、
一気に山の風景に戻ります。
この日は80kmあまり走って
「キズィルチャハマム」の町に到着。
夕食は久々の魚を食べます。
寒いなか何とか元気でいられるのは
様々な食材をバランスよく
食べられてるからでしょうか。
翌日、距離短めの予定だからと
朝食を軽めに食べたのが祟ってか、
峠を上る途中
腹ペコで動けなくなりそうになりました。
いわゆる“ハンガーノック”の状態。
サイクリングにおいて食事はとても大切。
必死に前へと進みつづけ、
65kmを走って「ゲレデ」で1泊。
安いホテルが見つからず
¥3,000のちょっと良いホテルへ。
おかげでゆっくり休めました。
続くこの日は山越え。
といってもその行程のほとんどが下り坂で
すべり降りるように進んでいきました。
標高1,500mの高さから
500mほどの町まで一気に下ります。
お昼によった食堂の店主は
自転車旅に興味津々。
食後に支払いをしようとするも、
「てやんでぃ!金なんていらねぇよ」
優しい人はカッコ良い。
アンカラから走ること3日間。
たどり着いた町は「サフランボル」。
山間に位置する黒海沿岸の観光地です。
サフランボルの見所は“町そのもの”。
旧市街を歩くと写真のように
白い壁と四角い木枠の窓が特徴の
家があたりに立ち並びます。
どこかヨーロッパを思わせるデザイン。
実はここ、
町全体が世界遺産に
登録されているほど
文化的価値が高く評価されている
場所なんです。
丘から見下ろしたサフランボルの町。
オレンジの瓦が広がる様が有名なのですが、
雪が積もっちゃってました。
数週間前から感じてましたが、
トルコに来る時期間違えてる気がします。
でも、これはこれで綺麗。
町の歴史は13世紀ごろまで遡ります。
シルクロードを辿って
西洋と東洋を行き来する商人たちの
宿場町として栄えたのが始まり。
交易の場としてかなり賑わったそう。
町の名は“たくさんのサフラン”の意。
あたりが有名なサフランの産地
であったことも発展に貢献しました。
しかし、鉄道の出現と同時に
町は徐々に衰退していきます。
商人たちがいなくなった現在も、
建てられた家々は
オスマン帝国を代表する建築様式
として保存されているそうです。
多くの家屋はホテルに
改装されていました。
中世から商人の町として栄え
そのまま大都市となっている場所もあれば、
こうして時代の波に飲まれ
かつての賑わいを失っていく場所もあります。
シルクロードに沿って旅をすると
文明の栄枯盛衰を見ているようで面白い。
町を見下ろす小高い丘で
夕日を眺めていると、
地元の大学生に声を掛けられました。
そのまま自宅に招待され
夕食のピザをごちそうに。
ピザを横取りしようとする
猫と戦いつつ完食しました。
猫って呼んでもこっち来ないくせに
来なくていい時に寄って来るから
犬の方がカワイイと思います。
性格もルックスも犬の方が良いです。
っていいながら
猫を抱っこしてみんなと記念撮影。
膝の上にちょこんとのってるときは猫もいいヤツ。
広大なトルコも
気がつけばぼちぼち後半戦に突入。
寒さはあいかわらずですが、
このままトルコ随一の大都市イスタンブールに向かいます!