寒さ増してくトルコの道
【202日目 7,877km】
カルスで2日間ほど身を休めたら
西に向かってまた走りはじめます。
日に日に下がっていく気温。
知ったところで良いことは何もないから調べてすらないですが
おそらく1℃か0℃くらいでしょうか。
吹く風は冷たいけども
走行中に雪が降っていないのが救いです。
夏のように体力を使い切ってしまうと
バテて風邪をひくのがこわいので
毎日少しづつ進むことにしています。
この日もわずか60km足らずを走り
「サルカムシュ」の町に到着。
たどり着くまでの道路に雪はなかったのに
町の中は雪がどっしりで
歩道はかっちかちのアイスバーン状態。
しかも坂の多い所だったので
自転車を押すのも一苦労です。
面白いのが
通りを歩く現地の人も
ツルツル滑りまくって
コケそうになってること。
この場所で幾度冬を越せども
全然、雪に慣れてない様子です。
イランを離れてから
アルメニア、ジョージアの人はシャイなのか
あまり声を掛けられることはなかったのですが、
トルコに入ってまた明るい笑顔とともに
声を掛けられることが増えた気がします。
夕食時のレストランで同席した地元の女子学生。
散々キャッキャと話したあとで
「写真送っといてねー」と言い放ち去っていきました。
親日国として知られるトルコ。
陽気でフレンドリーな人が多いです。
翌日早くに走りはじめると
空気は前日よりも
ぐっと冷え込んでいました。
ついに道路も
凍ってアイスバーンになってます。
主要道路を外れて
車の少ない道をひとり寂しく漕いでいると
横を列車が走っていきました。
写真を撮っていると
中から手を振ってくれるたくさんの人。
こんなちょっとしたことで元気が出ます。
雪の積もった峠を越え
冷たい風にさらされながら
長い下り坂をおりると
小さな集落にたどり着きました。
通りに立つおじさんに「休んでいきな」
と呼び止められ建物の中へ。
ごうごうと燃えるストーブに
あたりながら飲む甘いチャイ(紅茶)は
前に進む活力を与えてくれました。
さっきまで真っ白だった景色が一変。
平坦な道はなく常にアップダウンを繰り返しているので
1日走っているあいだに
雪があらわれたり突然なくなったり。
汗をかいたり、こごえたりと体温調整が大変です。
この日もおよそ70kmを走り「ホラサン」の町に到着。
立ち寄ったレストランの愉快な店員さんたちが
教えてくれたホテルに向かいベッドに倒れ込みました。
世界を旅するサイクリストの悩みの種が“野犬”。
彼らのテリトリーに入ると
野生の咆哮とともに親の仇でもあるかのごとく
執拗に追われるわけですが
こっちから「おいでおいで」すると
意外となついてくるものだと最近発見しました。
犬って顔は怖くても、
根はいいヤツが多いです。