聖都ヒヴァ

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【122日目 5,138km】

 

 

3日間かけてわたりきった砂漠の果てにたどり着いた小さなモーテル。

そこからさらにいくつかの町を通り抜け100kmあまりを進むと

国境近くの町“ヒヴァ”にたどり着きました。

 

サマルカンド、ブハラに並ぶウズベキスタン屈指の観光地でもあり、

同じように神学校やモスクを中心とした旧市街が見どころのこの町。

実は、ウズベキスタンで一番楽しみにしていた場所でもあります。

 

中世には国の首都でもあったというヒヴァ。

非常にこじんまりした町ですが、魅力がギュッと詰まった渋いトコロです。

 

泉が湧き出ることから砂漠の中のオアシスとして栄えたヒヴァですが、

その特徴ともなっているのが

1000年前ごろから建てはじめられたという城壁。

町をぐるりと囲んでいる土を塗り固めた壁の高さは10mにも及びます。

城壁が囲む旧市街は、

1km四方ほどなのでのんびり散歩しながら回れるほどの大きさ。

 

メインゲートである西門をくぐればいよいよ旧市街。

城壁に囲まれた内側は“イチャン・カラ”と呼ばれ、

町全体が世界遺産にも指定されています。

 

通りにはお土産屋がずらっと並び、

各国の旅行者が散策する様子が目に留まります。

レンガ造りの建物がイスラムの雰囲気をぐっと演出しています。

堂々たるマドラサ(神学校)も、

現在は内部がお土産屋さんやレストランとなっています。

 

イチャン・カラに複数ある塔の中で最も高いものが

“イスラーム・ホジャ・ミナレット”で45mほど。

ヒヴァの象徴でもあり、頂上は見張り台になっていて登ることができるんです。

 

 

町をぶらぶら散歩していると人だかりと何やらにぎやかな声が聞こえました。

 

近寄ってみると、スマホのカメラを向ける人々の向こうに

メガホンを握る監督とカチンコを鳴らすスタッフが!

どうやら映画か何かの撮影のようです。

 

時間をおいた別の場所でもまた撮影現場に出くわしました。

剣を携えた大勢の騎士たちが「ヤァアーーッ!」と叫びながらぶつかり合います。

 

やはり歴史ある景観地区だからでしょうか、

確かにどこを撮っても画になります。

 

 

旧市街の中心を少しはずれるとレンガ造りの民家が多く立ち並びます。

静かな路地を歩くと、現地で暮らす住民の方にもたくさんすれ違いました。

現在でも、城壁の中で3,000人ほどの人々が生活しているそう。

 

ヒヴァの町でとにかくよく見かけるのがタキシードとドレスの新郎新婦。

ポージングをするカップルとそれを取り巻く親戚とカメラマンたち。

みんな楽しそうだし、幸せそう。

 

 

おそらく近くで式も挙げると思うのですが、

やはりウズベキスタンの人たちにとっても特別な場所なのだと感じます。

 

 

 

イスラーム・ホジャ・ミナレットから見下ろす夕暮れのヒヴァ。

砂でかすんで遠くは見えないのですが、

オレンジに染まる町は風情たっぷりです。

 

いよいよウズベキスタンもこの町で最後。

こんな素晴らしい景色を求めてどんどん前に進んでいきます!