いざ、シルクロードへ

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【46日目 1,812km】

 

中国内陸の大都市、“西安”でしばしゆっくり過ごしたのち

遂に、はるか西の果て“ウルムチ”まで向かう日がやってきました。

 

 

こうして見ると自転車を漕いだ距離なんてほんのわずかだと情けなくなりますが

予定通り旅を進めるためには仕方がありません。

鉄道に乗っての大移動です!

 

中国の鉄道には荷物を一緒に輸送してくれるサービスがあるので

カバンをずた袋に詰め込んで、愛車とも束の間のお別れ。

 

 

ここから、ちょっとしたトラブルというか勘違いがありまして…。

 

出発前日に駅で切符を購入したんですが、

売り場のお姉さん曰く「夜8時に出て翌朝7時には着くよ」とのことだったんです。

だったんです!

 

2,500kmという日本列島縦断ほどの長い距離もわずか半日で着くなんて、

「中国の鉄道も意外と発展してるんだね、どんなスーパー新幹線だろう?」

と思ってホームに降り立つとそこにはごく普通の電車。

 

まぁ、動き出すと猛スピードで加速するに違いないと予想しつつ

いざ出発するといつまでたってもトコトコトコトコ…。

「ありゃ?」と思って隣の人に筆談で聞くと

「到着は明後日の朝7時だよ。」とのこと。

 

この瞬間、乗車予定が24時間延長されました。

いやいや怪しいとは思ってたんです、

だって調べたら30時間くらい掛かるってネットにも書いてあったし。

 

でもお姉さんが翌朝着くっていうから、

それを信じて食料も持ち込まず軽やかなステップで跳び乗ったらこの始末。

ブーブー言っても仕方ないので割高な車内販売で食いつなぎつつ

寝心地の悪い通常座席で2つの晩を越してなんとか到着しました。

 

 

 

やってきたのが新疆ウイグル自治区・烏魯木斉(ウルムチ)。

イスラム教徒であるウイグル族が大勢暮らす都市です。

一番近い海からも2,300km離れているウルムチは

“世界で最も海が遠い都市”だそう。

 

砂漠の中の伝統を色濃く残した街並みを想像してましたが、

以外にも高層ビルの立ち並ぶ大都会。

漢民族の流入もあってか、かなり発展している様子です。

 

これまでの都市と比べても大きな違いはないかと思いきや、

街を歩けば、看板には今回の旅ではじめてアラビア語が現れました。

道行く人の顔立ちも目や鼻がくっきりした中東系のルックス。

 

観光スポットでもある「新疆国際大バザール」には

香辛料や民族衣装、伝統楽器のお店がずらっと並び

中華と中東文化の分岐点の街であることに気づきます。

 

中国各所で味わえる羊肉のケバブもこのウイグル地区が本場。

臭みはほとんどなく香辛料がしっかり効いた熱々のお肉はホントに絶品です!

 

 

ユーラシア大陸を横切るシルクロード。

その東の端は西安ですが、このウルムチにやってくると

いよいよ目の前に歴史を築いた“悠久の道”が広がっていることを実感します。

この旅もさらに興奮に溢れたものになっていくはず!

 

ここから目指すは西の端、“イタリア・ローマ”。

いざ、シルクロードへ!