祈願の巡礼

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こないだまで仕事をしてまして、退職したのが3月末日。

そこから毎日ぼへーっと怠惰な日々を過ごしていたわけではなくて、

四国八十八箇所を巡る「お遍路」の旅に出ておりました。

 

 

装備品の確認や体力維持のトレーニング、

そしてハプニングに見舞われつづけるであろう

旅に向けての安全祈願が目的でした。

 

当初は、

「国内旅だし暖かくなってきたしのんびり行けるでしょ」となめてました。

「おじいちゃんおばあちゃんも廻るんでしょ」とたかをくくってました。

しかし、

そんなやつの思い通りにコトは運ばないのが世の常でして。

 

およそ1200年前、

若き空海(弘法大師)が巡拝した修行の地を辿る旅とあって、

その道のりは想定を超える過酷なもの。

平らなところばっかりにお寺を敷設してくれたらよかったのに、

何百メートルという山の上にもいっぱいあるんです。

だって修行だから。

 

 

大きな荷物をひく馬車馬のように進み続ける日々。

節約のため、公園や道の駅で夜を明かす日々。

朝のラジオ体操にやってきたおじいちゃんに「そこのいて」と言われる日々。

 

4県にまたがる巡礼の道は文字通り平坦ではなく、日ごとに疲労は溜まっていきました。

 

そんな状況でも心を弾ませて旅ができたのは、

やっぱり行く先々に人との出会いがあるから。

 

食べ物(ときには金銭も)を恵んでくれたり、

優しくねぎらいの言葉をかけてくれる地元の人たち。

自転車で日本を一周している通称チャリダーたち。

面白い巡礼地があると聞きつけてやってきた外国の人たち。

黙々と歩を進め続けるお遍路さんたち。

 

年齢も職業も国籍も違えば、巡礼の目的もみなそれぞれ。

八十八のお寺で経を納め、ひたむきに祈りを捧げる人の姿を目にするたび

それぞれの人生に抱える想いがあり、

こうして功徳を積んでいるのだと感じました。

 

 

お遍路旅を経て気づかされたのは、

景色や食べ物もそうですけど

旅を魅力的なものにしてくれるのは「人」だということ。

 

本当に旅をしてよかったと心から思います。

今まで本当にありがとうございました。

お世話になりました。

 

 

…て終わりそうな流れですけども、

本番はこれから。

 

お遍路の旅は

日数にして18日間、走行距離にして1400km。

しかし僕がこれから挑む道のりはそのはるか数倍におよびます。

 

旅の魅力を再認識したことで、

心の中でせめぎ合っていた期待と不安の

「期待」の方がはちきれそうに膨れあがってきています!

 

 

そんなわけで、

歩む者に勇気と自信を与えてくれる四国の「お遍路」。

興味のある方はぜひ挑戦してみてください!